食品添加物のテストは下の方法で行われています。
食品添加物は平成25年8月6日改正までに登録品目数、436品目を数えます。
規制の対象になる添加物は以前は合成物だけに限定されていましたが、
平成7年の改正で天然物由来の添加物も規制される対象となりました。
天然由来だから安全という考えは、今の世界では通用しません。
まず食品添加物の安全性試験は、ラットやマウスなどの哺乳類の小動物を使い
一般毒性試験と特殊毒性試験の二つに大きく分かれます。
一般毒性試験
- 28日間反復投与毒性試験
28日間繰り返し実験動物に与えて生じる毒性を調査。 - 90日間反復投与毒性試験
90日間繰り返し実験動物に与えて生じる毒性を調査。 - 1年間反復投与毒性試験
1年以上の長期間にわたって実験動物に与えて生じる毒性を調査。
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特殊毒性試験
- 繁殖試験
二世代にわたって実験動物に与え、生殖機能や新生児の成育に及ぼす影響を調査。 - 催奇形性試験
妊娠中の実験動物の母体に与え、胎児の発生・発育に及ぼす影響を調査。 - 発がん性試験
ほぼ一生涯にわたって実験動物に与え、発がん性の有無を調査。 - 抗原性試験
アレルギーの有無を実験動物で調査。 - 変異原性試験
細胞の遺伝子や染色体への影響を調査。 - 一般薬理試験
薬理作用の試験では、例えば、中枢神経系や自律神経系に及ぼす影響や、消化酵素の活性を阻害し実験動物の成長を妨げる性質の有無などを調査。 - 体内動態試験
体内での吸収・分布・代謝・排泄など、体内に入った物質が生体内でどうなるかを調査。
使用基準量の算出法は…
有害な影響が認められない最大量(無毒性量)を決められた後で(逆に言えばそれ以上の量は、有害な影響が認められている)、人間が毎日、生涯食べ続けても安全だろうと認められる量を決めます
ラットなど哺乳類の中でも、小動物で行うことが多いテストでは人間との違いの差が生じます。
テストを小動物で行う理由は、薬品も同じである、飼育しやすい、安価である、早く結果が得られるなど理由が推測されますが、人間との差は最大でも10倍であると見積もっています。
それにまたリスクとして10倍して、およそ100倍。
100分の1と決まっています。リスクを二乗した形です。
これが『リスク評価』です。
無毒性量 ÷ 100(生物の違いリスク×それにプラスしたリスク)=1日摂取許容量(ADI)
その1日摂取許容量(ADI)を超えないように食品衛生法第11条に基づいて
- 使用できる食品の種類の制限
- 食品に対する使用量や使用濃度の制限
- 使用目的についての制限
- 使用方法についての制限
などを基にして使用基準が決められています。
しかし、決して添加物が何種類も複合されて大量に摂取された時のデータを取って、安全性を確認して出されている訳ではありません。
また一度安全だと食品添加物の認可を受けていても、その後安全性が疑問視され使用禁止になったものも過去にはあります。
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